はじめに
経済産業のドキュメントから概要をまとめています。
DX推進ガイドライン Ver. 1.0
あらゆる産業でゲームチェンジが起きつつある。
あらゆる産業でゲームチェンジが起きつつあります。原因は、新しいデジタル技術(AI,IOT等)活用してこれまでになかったビジネスモデルを展開する新規参入者が増えている為です。
現存の企業は新規参入者の敗者になる可能性がある。
現存の企業はこのゲームチェンジで新規参入者の敗者になる可能性が高いです。新規参入者の敗者とならない為にも現存の企業もデジタルトランスフォーメーション(DX)スピーディーに対応する必要があります。
DXの重要性とビジネスの変革
多くの経営者はDXの重要性に気づいていてDXへの取り組みを進めている。しかし、実際のビジネス変革には繋がらず成果はほとんど出ていない状況が、多くの企業が直面している状況です。
DXの成果を出すには?
DXをビジネスの変革に繋げるために必要な事は2つあります。
- デジタル技術を利用してビジネスを変革する事についての経営者による強いコミットメント
- デジタル技術でビジネスを変革、実行するマインドセットと仕組み体制の構築
DXの足枷
既存のITシステム
既存のITシステムの3つの問題
- 老朽化
- 複雑化
- ブラックボックス化
これらの問題が原因でデータを充分に活用できない。新しいデジタル技術を導入してもデータを十分に活用できないため、その効果が限定的になってしまう。
現場サイドの抵抗
既存のITシステムが現場の業務プロセスと密接に関わり合いを持っている。
既存のITシステムを変更しようとすると現場の業務プロセス自体も変更が必要になり現場サイドのDXに対しての抵抗が大きくなる。
DX レポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~
このようなDX推進の現状を踏まえて、経済作業省が報告書を取りまとめている。
報告書では、DXを実現するための共通認識ができるようにガイドラインの作成が必要であると指摘がされた。
この指摘を受けて、DX推進で経営者が押さえるべき事項を明確にして、取締役会、株主が企業のDX取り組みをチェックする上で活用することを目的として、本ガイドライン(DX 推進ガイドライン)を策定しています。
DX 推進ガイドラインの構成
2つの構成
本ガイドラインは2つの構成から成り立っている。
- 「(1)DX 推進のための経営のあり方、仕組
- 「(2)DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築
デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン
(1)DX推進のための経営のあり方、仕組み
経営戦略・ビジョンの提示
想定されるディスラプションからデータとデジタル技術を活用する。
新たな価値(創出、即時性、コスト削減等)を生み出す。
これらを実現するためのビジネスモデルについての経営戦略、ビジョンの提示。
経営トップのコミットメント
DXを推進するには、仕事の進め方、組織・人事の仕組み、企業文化の変革が必要になる。これらの変革を実行するにあたっては、社内からの大きい抵抗が想定される。経営トップの強いコミットメントがないとDX推進が難しくなる。
DX推進のための体制整備
各事業部門のDX推進に対して、経営層が挑戦を促し挑戦を継続できる環境を整える。
マインドセット
各事業部門が積極的にDX推進を行なっていくマインドセットを作る。
- 仮説検証の繰り返しプロセス
- 仮説検証の繰り返しプロセスを素早く行う。
- 実行した結果、当初の目的を達成しているか評価する仕組
推進・サポート体制
各事業部門がDXを実現するためのデータ、デジタル技術の活用を推進、サポートする部門の設置や必要な体制を整える。
人材
FXを実現するための人材の育成、確保ができているか。
- DX推進部門のデジタル技術やデータ活用に精通した人材
- 各事業部門の業務内容に精通して、デジタル技術で何ができるか理解している人材
投資等の意思決定のあり方
投資等の意思決定の考え方
- コストだけでなくビジネスに与えるベネフィットを考慮する。
- 定量的なリターンやその角度を求めすぎないで、DXの挑戦を促す。
- 投資をおこなずにDXが実現できなかった場合に、マーケットのデジタル化から取り残される。
DXにより実現すべきもの:スピーディーな変化の対応力
DXによるビジネスモデルの変革が、経営方針やグローバル展開等へのスピーディーな対応を可能にするものになっているのか。
(2)DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築
(2)ー 1 体制・仕組み
全社的なITシステムの構築のための体制
各事業部門のデータやデジタル技術の活用をサポート出来る基盤、各事業部門毎のシステムを全社的なITシステムとして構築するための体制が整っている。
全社的なITシステムの構築に向けたガバナンス
- 既存のITシステムと新たに導入するシステムを円滑に連携させる。ITシステムは事業部門ごとの個別最適ではなく全社最適になうようにするガバナンスを確立する。
- ベンダー企業に丸投げせずにユーザー企業自らがシステム連携基盤の企画、要件定義を行なっているか。
事業部門のオーナーシップと要件定義能力
各事業部門がDXで実現したいことを事業計画で明確にする。ベンダーからの提案は事業部門が自ら判断して取捨選択を行い、要件定義と完成責任を担う。
(2)ー 2 実行プロセス
IT資産部門の評価
IT資産の現状を評価できているか。
IT資産部門の仕分けとプランニング
- ビジネス環境の変化に対応して、迅速にビジネスモデルを変革出来るように最適化されたシステムを構築する。
- 全社横断的なデータ活用を出来るように最適化されたシステムを構築する。
- 自社の強み以外の領域については標準パッケージやプラットフォームを利用して、自社の強みにリソースを重点的に配置する。
- 経営環境の変化に応じて廃棄すべきシステムはこれ以上コストをかけずに廃棄する。
- 全体として、不要な運用保守の低減を行う。
刷新後のITシステム:変化への追従力
ITシステムが出来たかどうかではなく、DX推進でビジネスがうまくいったかどうかで評価する仕組みにする。