現在は世界でインターネット環境の整備が進んで、SNSなどで世界中の人たちとつながることができます。
インターネットの存在は、ビジネスの世界にも大きな変化をもたらしました。
インターネット通販で自分の国から海外に向けて商品を販売することを越境ECといいます。
すでに日本でも越境ECを展開している企業は多く、越境ECの市場規模は年々成長しており、新たなビジネスチャンスになっているのです。
では現在の越境ECの状況はどうなのか、まず国内のEC(インターネット通販など)市場から紹介します。
日本国内のEC市場
経済産業省が公表したデータによると、2018年の国内のBtoC(個人消費者向け)EC市場は18.0兆円となり、前年の16.5兆円から8.96%も拡大しています。
そして2010年から2018年までの推移を見ると、国内EC市場規模は約2.3倍に拡大しているのです。
ここまで市場規模が拡大し続けているのは、インターネット環境が整備されたことと、パソコンやスマートフォンの普及で手軽にインターネット通販ができるようになったためです。
引き続き市場規模は拡大する傾向ですが、今後日本は少子高齢化で購買意欲の高い若年層の縮小が予想されるので、いずれ成長は横ばいになることも考えられます。
そして世界の越境EC市場を見ると大きく成長してきています。
世界の越境EC市場規模
2018年の世界の越境EC市場規模は経済産業省のデータで見ると約74兆円となり、2020年まで前年対比20%以上で成長して、109兆円にまで拡大すると予測されています。
やはり世界規模で見ても越境EC市場の拡大には、日本と同様にインターネットとパソコン、スマートフォンの普及が進んだことと、中国人の高い購買意欲が牽引していることも要因になっているようです。
市場規模の大きい中国とアメリカ
そして市場が大きいアメリカ、中国が日本からの購入額を見ると、アメリカが8,238億円で中国は1兆5,345円となっており、日本の両国からの購入額が2,765億円と比較すると、アメリカと中国が日本の商品を購入しているのかが分かります。
特に中国は前年対比の30%拡大する1.5兆円を超える購入額になっており、この購入金額の成長には、ここ近年の中国人訪日観光客の急増が関係しています。
中国人観光客のリピート購入
多くの中国人観光客は訪日で日本の商品を購入して帰っていきます。
そして帰国後、越境ECで日本の商品をリピート購入し、それだけでなく商品の評判がSNSや口コミで広がり、訪日経験がない中国人も越境ECで日本の商品を購入する流れが生れて、1.5兆円を超える金額になっているのです。
そして3か国の2018年から2020年までの成長率は、日本が1.14%、アメリカが1.69%、中国が1.64%と予測されており、日本の伸び率はほぼ横ばいですが、アメリカと中国は高い成長が予測されています。
しかしこれはあくまで予測であり、法規制や為替変動、各国の情勢で変わってきます。
現在、アメリカと中国は貿易戦争の真っ最中で、これは今後の越境EC市場にも大きな影響を与える要因になるので留意しておく必要があるでしょう。
日本のインターネット通販サイトへのアクセス
世界で見ても越境EC市場の取引額は右肩上がりで伸びており、2020年には世界のインターネット通販全体のうち29%が越境ECの取引になると予測もされています。
そしてアメリカ、中国が越境ECで日本への購買意欲の高さは、データを見てもわかります。
フリマアプリ「メルカリ」を運営している株式会社メルカリは11月15日から越境ECサービスを開始しました。
このサービス開始に踏み切った理由には、経済産業省のデータを基にした以外に、Web版のメルカリサイトに海外からのアクセスがここ数年で急増している事実があります。
これはメルカリだけでなく日本のインターネット通販サイトへのアクセスは多く、海外の方が日本の商品を購入したいという思いは潜在的に多いのです。
そしてこの状況から、今後越境EC市場に参入する企業は増えてくると考えられるので、もし参入を検討しているなら早めの参入がいいでしょう。
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